かねてから発売が予告されていた ARM版 mac (Apple Silicon版 mac)がついに発表されました。今回発表された機種は mac mini, macbook air, macbook Pro の3機種です。
一部 mac ユーザー やガジェット好きの中では超絶話題沸騰なのですが、仕事や趣味で macを使ってはいるものの内部の構造には興味ない方からすると「何をそんなに盛り上がってんの?」と感じると思います。
という訳で今回はmacのプロセッサがARMに変わったことでどんなメリットがあるのか簡単に説明したいと思います。(超ざっくりなので細かいことは書きません。)
CPUとは
超簡単に言うとCPUとはパソコンやスマホの脳みそです。パソコンを使う際、ありとあらゆる計算をここでこなしています。ヤフーとかYoutube見てる時、メールを打ってる時、ゲームをする時、Photoshopを使う時、動画編集する時、ありとあらゆる時にCPUが作動しています。つまりCPUが速くなるとありとあらゆる作業が速くなります。速くなればなるほど良いのです。
今回このCPUが変わりました。
ARMとインテル
ARM
ARMとインテルはどちらもCPUを開発している企業です。
ARMは身近な例で言えばiPhoneなどのスマホや任天堂スイッチなどの小型ゲーム機に搭載されています。今回発表されたmacに搭載されるのはすべてARMの技術を使ってAppleが開発する「M1」チップです。(総称してApple Silicon) 特徴は省電力なことです。電力をバカ食いしたらスマホや携帯ゲーム機のバッテリーがすぐ無くなってしまいますもんね。iPhoneやiPadに搭載されているのは「A13」とか「A14」と呼ばれる「A」チップです。macの「Mチップ」とiPhone・iPadの「Aチップ」は名前は違いますが中身はほぼ同じようなものです。
それに世界一高速なスーパーコンピューターである日本の「富岳」に使われているのもARMです。「富岳」は最高の性能であると同時に世界一省電力なスーパーコンピューターでもあります。基本的にARMは省電力なのです。
ARMは省電力
インテル
インテルは「インテル入ってる」のCMでおなじみの世界最強CPUメーカーです。
2006年以降ずっとMacにはインテルのプロセッサが搭載されてきました。Windowsのパソコンに搭載されているのもインテルのプロセッサです。
インテルはまさに圧倒的なCPU性能で世界を牽引する支配的企業でした。
数年前までは・・・
インテル入ってる。も今は昔。
インテル帝国、崩壊し始める・・・
インテルはmacでもWindowsなどほぼ全てのパソコンで使われているので、まさに支配的なCPUメーカーでした。
ところが数年前から、突然インテルのCPUの性能が頭打ちになりました。性能が伸びなくなったのです。
ARM、インテルを尻目にめちゃくちゃ速くなる
一方、iPhoneやスマホなどに搭載されているARMのCPUの性能の向上は止まりませんでした。インテルが足踏みをしている間にも毎年どんどん性能が上がっていきます。それは新しいiPhoneが出るたびに15〜30%も性能が向上していることからも明らかです。
Appleさん「もう mac にも ARM 載せたらええやん。インテルあかんし。」
インテルがCPUの高速化に伸び悩んでからも数年間、Appleはインテルの速度向上をずっと待ちましたが性能は一向に上がらず。
しびれを切らしたAppleは決断します。
「もうmacにもiPhoneと同じARM載せたらええやん。インテル捨てて。」
ARM版 M1チップ搭載 Macの誕生です。
ARM搭載macで良くなること(安い・速い・バッテリー)
まだ昨日アップルから発表されたばかりなのですが、基本的に次のことは言えると思います。
Macbook Air / Pro のバッテリーが長持ちするようになる
先述の通りインテルと比べて ARM は省電力 なのが特徴です。なのでインテル版と同じ使い方をした場合にARM版の方が macbook Air や Pro のバッテリーが長持ちする可能性が高いです。
省電力なのでmacbook airのバッテリーの持ちが6時間増量してるみたいです。これは普段遣いにうれしいですね!(画像はApple公式サイトより)
性能が上がる
まだベンチマーク結果が出てきていないのと、性能に関しては様々な要素が絡むので、一概には言えないのですが、
インテル版と比べて概ね性能は上がると思います。
時間が経てば経つほどアプリやOSもARMプロセッサに最適化が進む(ソフトウェア開発者がARMに慣れる)ので、さらに速度は上がっていくと思います。
なお、今回CPUとは別にGPU(グラフィックとかゲームとかに使われる部分)の性能向上も謳われています。
ゲームも出来るようになるかもしれません。
安くなる
これがもしかしたら一番ARM化の恩恵を感じられるかもしれませんね。価格はAppleの胸先三寸で決められるので一概には言えませんが、Appleが自分の会社でプロセッサを作れるからとか色んな理由があると思いますが、概ね値段は安くなると思います。CPUやGPUは一番コストがかかるパーツなので、それが自社で製造できるというのは価格にも反映されてくるかもしれません。ちなみに僕が以前買ったインテル版mac miniは12万円ぐらいしましたが、新しいmac miniは 72,800円 です。めちゃくちゃ安いです。
iPhone / iPadのアプリが使える
新しく搭載される M1 プロセッサは iPhoneやiPadのプロセッサとほぼ同じです。同じになったのでほとんどの iPhone や iPad のアプリがそのまま使えるようになります。
mac上でiPhoneのアプリが使えるとなると、これはすごいことだと思います。
使い方によりますが利便性が桁違いに増すかもしれませんね。
ARM搭載macのデメリット
一応懸念されているデメリットもあります。
ARMに対応していないソフトは遅かったり動かないかも
アプリのARM版macへの対応は進んではいますが、対応が遅れているソフトも多々あり、マイナーなソフトになると対応しなかったりするかもしれません。
そうなるとRosetta2というロゼッタストーンのようなmac osの機能でインテル版mac向けのアプリをARM CPU上で翻訳・変換しながら使うことになります。
その場合、やはりコードを変換しながらソフトを動作させるので、速度は多少落ちるかもしれません。
そういう懸念はあります。
ですが Adobe Photoshopや、Chrome などの有名ブラウザ、開発者が積極的にアップデートしているアプリなどは、時間の問題でRosettaを使わなくてもARMに最適化されると思うので、普段遣いでは、そんなに心配しなくて良いと思います。
【結論】結局新しいARM版の mac は買ってええの? あかんの?
買って良いですよ!よほど今使ってるソフトが動かないと仕事に支障が出るとかでなければ!
安いのでしばらくの間インテル版と併用しても良いかもしれませんね!
エストニア滞在記シリーズ
https://selohan.com/category/%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%8B%E3%82%A2/
この記事読んで私からも一つ。
私は高性能2in1を求めて、Amazon.comでASUSのNova goという高性能タブレットPCを購入しました。
こういう高性能系機器は生産国のECサイトとか逆に市場の広い北米市場のほうがマーケットの狭い日本より有利と見て探した所当機種に出会いました。
構成内容はROG phoneというゲーミングスマホにに搭載されているSnapdragon 835を搭載したARMでした。
とても快適で、グラフィックも定評があるチップになだけに安定していました。
RAMも6Gと4Gよりだいぶよく十分に満たしている内容です。
PDなどの高速充電規格には対応していませんでしたが、十分すぎるぐらいの地力の高さを感じたのと同時に。
日本市場狭いなと痛感しました。
逆に市場の余地があると感じられたので、私的にはモチベーションにもなりました(笑)