秋が終わり、エストニアはタリンに冬がやってきました。
エストニアの秋の終わり 暗闇が世界を支配する
エストニアでは秋になると、毎日3分づつ日が短くなっていきました。それは日に日に世界が闇に飲み込まれて行くようで、雪国初体験の僕にとってそれは楽しみでもあり、恐ろしくもありました。
秋の時点でも街が暗いのに、あの人々の大人しさ、冬になったらエストニアの人々の何割かは絶望してアル中になってしまうのでは?と思っていました。
実際、エストニアを始め北欧やバルト三国ではアル中が社会問題となっています。アル中についてよく知らなかった僕は、「だらしない人がだらしない習慣を続けた結果、酒に溺れてしまったんだろう。」という感じで、何ならちょっとアル中になってしまった人を「ただの酒好き」と面白おかしくすら思っていました。
でも実際にエストニアである若い男性から「母親がアル中なんだ・・・」と深刻な面持ちで語られた時、アル中は身体や心から来る病気なのだとわかりました。
少し自分を戒めました。
エストニアでアル中になる人が多い原因は日照時間の短さだと言われています。秋から冬至にかけて文字通り毎日2〜3分ずつ日が短くなっていくのです。そしてもちろんそれに合わせてどんどん気温も下がっていくのです。
こんな所で冬を越したら日に日に憂鬱になってしまうのではないだろうか?
どうやってみんな正気を保って生きていられるんだろう?
そう思いながらとうとう冬を向かえました。
すると・・・
エストニアの真冬は「逆に」明るかった
そうです。エストニアの冬は実際には明るかったのです。
:S<日照時間が減るのになんで明るいんですか? どういう理屈だ?おい!?
こういう理屈です。いやむしろ理屈はあとで、写真を見ればわかります。
:S<ただの雪の写真じゃないか・・・それも夕方の・・・
いいえ違います。
これは夕方の写真ではありません。夜中1時すぎに撮られた写真です。もちろんなにも画質調整などはしていません。目で見てこのまんまの明るさです。
:S<なに!?どういうことなんだ!?
反射です。遠くにある街灯の光が舞い散る雪に乱反射してあたり一面が明るくなっているんです。色味が夕方のように見えるのはそれが反射している街灯の光の色だからです。
こんな感じです。
くどいようですが夜中1時です。高緯度なので太陽は9時間も前に沈んでいます。
これも日中に見えますが夜中1時です。明るすぎます。
街中を歩いてみます。地面が真っ白で全ての光を反射するので逆に雪が降る前よりも明るくなりました。
明るい。雪が降るとこんなにも街が明るくなるのか。
ちなみにブログ主の加藤は大阪出身なので雪がつもったのを見たことがほとんどありません。日本でも寒い地域に行けばこんな感じなのかもしれませんね。
でも私にとっては、これは、とてもとても新鮮な体験で、日々どんどん日照時間が短くなり、寂しく暗い雰囲気になっていくと思っていたので、街が明るくなって良かったと思いました。
エストニアの冬は暗くありません。
むしろ雪が積もってこそエストニアの魅力が発揮するといえるかもしれません。
雪が積もると世界遺産の旧市街の赤い屋根も真っ白になります。
という訳で「エストニアの秋は暗いが冬は雪のおかげでとても明るい」というお話でした。
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