こんにちは加藤(@flux54321)です。

 

銭湯はお好きですか?

僕は大好きです。

「昭和レトロを手軽に感じられる最後の場所」それが銭湯です。あえて意識的に昭和レトロを作っているのでは無く、昭和からそのまま現存していて、今も営業している。そんな奇跡のような場所が銭湯です。

 

いま札幌に滞在しています。滞在中に札幌市内42の銭湯をめぐる銭湯スタンプラリーに参加しているのですが、その道中に札幌の銭湯を盛り上げようと奮闘している頼もしい方に出会いました。

 

その方が福の湯の小西祟聖(@takatoshi_kns)さんです。

 

そんな小西さんが2017年7月に立ち上げたウエブサイトが札幌銭湯(www.sapporosento.com)です。

 

今回は、札幌の銭湯を盛り上げようという活動を始めるに至った経緯と、その熱意についてお話を伺いました。

 

 

福の湯に向かった時は真冬でした。大阪生まれの僕にとっては雪がすごかったです。

 

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そんな雪にまみれながらもなんとかインタビュー先の福の湯さんにたどり着きました。

 

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福の湯さんの玄関

 

小西さんが活動を始めたきっかけ

 

加藤:今回はインタビューをお受けいただきありがとうございます。私も銭湯が大好きなので是非インタビューさせていただきたいと思いました。早速ですが質問させてください。小西さんは、札幌市内の銭湯に関する情報を発信するウエブサイト札幌銭湯(www.sapporosento.com)を運営されていますよね?どのような経緯で始められたんですか?

 

小西さん:そうですね、もともと僕の実家が銭湯を経営していたんです。幼少期からずっと銭湯とそこに来る地域のお客さんと共に育って来たので、その恩返しをしたいなと思っていました。それに銭湯自体の数がだんだん減ってきていたのでそれも寂しいなと思ってもいました。僕はサラリーマンを辞めてからWEB制作などを行う会社を経営していて、それと同時に何かできることは無いかと探していました。ある時、東京など日本の大都市圏で銭湯に関するイベントや発信を行っている若い方がたくさんいるのを知り、自分の家が銭湯なのでこれを発信すれば良いという事に気がつきました。

 

加藤:正に灯台下暗しですね。

 

小西さん:そうです。ここ福の湯を足がかりに銭湯の文化を発信して維持・発展させていければなと思ったんです。色んな人を「巻き込んで」いければな、と。それに銭湯経営者には高齢の方が多いので、インターネットを使った発信という意味でも若い自分が担った方が良いなと思いました。

 

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加藤:札幌銭湯のサイトはいつごろ開設されたんですか?

 

小西さん:今年(2017年)の7月ですね。

 

加藤:結構出来たてホヤホヤなんですね。ネットでの活動を始められたのもその時期なんですか?

 

小西さん:いいえ、SNSを使った発信は2013年頃からしていましたね。TwitterやFacebookを使っていました。今も行っています。まずSNSで福の湯の情報発信をして、札幌銭湯のサイトで札幌の銭湯全体に広げていこうと思います。

 

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家紋 も良い感じ

 

 

これまでの活動内容

 

加藤:これまで小西さんが行った活動について詳しくお聞かせ願えますか?

 

小西さん:そうですね、札幌市内の銭湯を舞台に色んなイベントを行っているのですが、中でも盛り上がったのは蓄音機をみんなで聞くイベントですね。

 

加藤:蓄音機って言うとレトロという点で銭湯と相性がすごく良さそうですね。どのような流れで開催に至ったんですか?

 

小西さん:僕が発信していたのを見てくれた人の中に蓄音機愛好家の方がおられたんです。30代のお若い方だったんですけど、蓄音機と銭湯の雰囲気って合うんじゃないかと言ってくれました。

 

 

札幌銭湯の蓄音機イベントの告知

 

加藤:30代で蓄音機のコレクターの方がいらしたんですね!実際に開催してみて来られたお客さんの反応はどうでしたか?

 

小西さん:やはり蓄音機と言うことで曲が昭和30年以前のものだったんですね。

 

加藤:じゃあ流れてくる曲がほぼ戦前というか新しくても終戦直後というか

 

小西さん:そうですね。元々銭湯に来るのは高齢者の方が多いのですが、その日もやはり高齢の方が多くて、流れてくる曲を口ずさんでおられる方も結構いましたね。

 

加藤:そうなんですね。蓄音機の音質とかも銭湯の雰囲気に合いそうですね。

 

小西さん:蓄音機のノイズ混じりの音も結構ノスタルジックで良い感じでしたね。

 

加藤:若い世代とかも来られました?

 

小西さん:若い世代の方も数名ですが来られましたよ。「蓄音機見せてください。」という感じで。

 

加藤:それは良いことですね。やっぱり未来のことを考えたら若い世代に銭湯に来てほしいですものね。

 

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年季の入った招き猫がとても良い

 

加藤:あとFacebookを拝見していてびっくりしたのが、有名な北海道のフェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL 」に合わせたキャンペーンも行ってらしたんですね。

 

小西さん:そうなんです。

 

加藤:めちゃめちゃ良い組み合わせだと思います。フェスで疲れた身体を銭湯で癒す。これ日本中で定着してほしいなあ(笑)

 

Facebookでの呼びかけ

 

“ハコ” としてちょうど良い銭湯

 

小西さん:蓄音機のイベントを成功させて思ったのは「銭湯ってハコとしてちょうど良いのかな」と思ったことですね。

 

加藤:と、言いますと?

 

小西さん:銭湯って建物のサイズ的に10人とか20人前後の規模での催し物になると思うんですね。その人数で一つのことをするっていうサイズ感がちょうど良い感じがしますね。

 

加藤:確かにそうですね。この銭湯独特のサイズ感の中で催し物を見るっていうのはすごく良いかも。あとハコ自体が独特ですし。催し物してる隣でお湯が出て湯気がモクモク出てるっていう。

 

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小西さん:あと銭湯は住宅地の中にあるので、会場としても通いやすいっていうのが良いところだと思います。

 

加藤:通いやすいハコということですね。

 

小西さん:催し物を行うハコとしての銭湯を通して、銭湯というものを知ってもらえればとも思っています。

 

加藤:なるほど。

 

加藤:そういえば今お話を聞いてて思い出したんですけど、京都に「磔磔」っていうライブハウスがあるんですよ。昔からある酒蔵がそのままライブハウスになってて、良い意味で狭いし、木造だし、ステージがビールを運ぶケースを逆さにしたのを積んでそのまま使っていてとても良い感じなんですよね〜。聴いてて他のライブハウスとは感覚が全然違うんです。圧倒的非日常感というか。それと同じような非日常感が銭湯でのイベントにはあるかもしれないですね。伝統的な銭湯と何を組み合わせても斬新になる気がします。ライブでも能とかDJとかe-sportsとか何でも。

 

小西さん:そうですね。なので今後は情報発信だけでなく札幌市内の銭湯での各種催し物のサポートというのも札幌銭湯のサイトを軸として行っていきたいと思っています。

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この下駄箱の木の錠前もすごく好きです。

 

札幌銭湯の展望

 

加藤札幌銭湯の今後について教えてください。

 

小西さん:札幌銭湯の運営は僕1人だと限界があるので、ボランティアでライターさんやイベントの方にサポートしていただいたり、周りの方に助けていただきながら進めています。銭湯を中心に据えながら、色んな趣味趣向やジャンルの方を巻き込んで、化学反応を起こして色んな発信ができる好循環になればうれしいなと思っていますね。

 

加藤:なるほど。

 

小西さん:たとえば最近写真が得意な方がおられるので、写真をフィーチャーした企画も行いたいと思っていますね。

 

加藤:札幌って大都市なので様々な特技を持った方がお住いだと思います。銭湯と縁遠そうなジャンルと銭湯とのコラボとかが実現すると面白いものも出てきそうですね。

 

小西さん:そうですね。それにこれから銭湯で様々なジャンルの催し物を行ったり、様々な形に変化していったとしても、銭湯に入浴するという核の部分は銭湯からは無くならないですからね。それが面白いのかなと思います。札幌銭湯のサイトがそれらのハブになっていけば良いのかなと思っています。

 

加藤:札幌銭湯が化学反応の媒介になる。それは面白いかもしれませんね!

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棚もレトロで良い感じ

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今にも湯気が漂ってきそう
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 銭湯といえばコレ。四角いマッサージ機。作為的には出せない昭和ノスタルジー

 

 

インタビュー中、

僕から小西さんに銭湯でのモナコイン決済についてもお薦めさせていただきました。

仮想通貨の持つコミュニティの特性と、今の銭湯業界の動きとの相性がとても良いと感じたからです。

また、インタビュー後、オフレコでさらに今後のことについてもお聞きしました。

実はその時に活動のスケールが一気に大きくなるお話をお伺いすることが出来たのですが、

今回はオフレコということでここに書くことは出来ませんでした。

でもこれから小西さんがしようと思っていることを聞くと誰もがきっと驚かれることと思います。

ますます札幌銭湯さんの今後に期待大です。

 

 

 

(終わり)