こんにちは、加藤(@flux54321)です。

 

国や地域によってそれぞれ違ったいわれや迷信があったりしますよね。そういう話を他国の人にすると驚かれることも多いです。

例えば日本の例で言うと、「4」という数字は「死」を連想させるからホテルの部屋番号は4を避けているということを外国の人に伝えると驚かれます。

また、日本では神社でキツネを神の使いとして祀っていますが、その話をヨーロッパの人に話すとたいへん驚かれました。ヨーロッパではキツネは昔から田畑を荒らす「害獣」として扱われているらしく、排除すべき忌まわしきものの代表として人々の間に浸透しているのです。駆除のしすぎで動物愛護団体がキツネのお面をかぶって抗議活動をすることもあったそうですが、そのぐらい嫌われているのだそうです。日本で言うとカラス以下の存在でしょうか? 少なくとも良くは思われていないのです。

なので日本人がキツネを崇めているのは彼らにはとても変わった風習に映るようです。「マジでキツネを神様にしてるの?あの害獣を?」という感じです。

まあ僕はごんぎつねを始めとしてキツネが好きですね。きつねうどんも好きです。キツネにネガティブなイメージは全くないですね。まあそもそも日本でも北部にしかキツネは住んでいないので、気温の問題かもしれませんね。ヨーロッパは寒いので。(ところでたぬきはカチカチ山でひどい扱いを受けていますね。キツネとの扱いの差がちょっと酷すぎないですかね(笑))

PECHENET / Pixabay

 

しかも日本の神社にはキツネだけでなく他にも神様がいっぱいいます。そういう千と千尋の神隠し的な多神教という概念もキリスト教文化圏の人々には衝撃なようです。八百万は本当に800万の神が居るという意味ではないようですが、イギリス人に日本の宗教について尋ねられた時に直訳で「日本の神道では800万人神さまが居る」と言ってしまいました。すると彼は口をあんぐり開けて沈黙してしまいました。またタリンの道端でキリスト教系の新興宗教の人に勧誘された時も、僕が「800万の神が居る国から来ました。」と言うと全員フリーズしてしまいました。追い打ちをかけるように「神道だけじゃなくて仏教もやってます。」と言いましたが、彼女らはフリーズドライしたままでした。(社会学の定義によると日本人は神道と仏教とキリスト教が混ざってるみたいなイメージらしいですが、その話をタルトゥで出会ったキリスト教プロテスタント原理主義者のウクライナ人に話すととても失礼な態度を取られました。またその話も書きたいと思います。)

一神教的な考え方だと唯一神のキリスト(預言者ですけど)みたいな存在が800万人も居たら収集つかなくなってしまいますよね。誰の教えを聞けば良いんだよ的な。キリスト教圏の人が多神教の概念に触れると、彼らの頭の中を構成している大前提が崩れていく音が聞こえます。ちなみにエストニアは世界トップレベルで無神論者が多い国なのですが、彼ら自身が内包している価値観や世界観はキリスト教そのものです。それはエストニア人の友人達もよく言っていました。

ちなみに行けばすぐに体感できる多神教国家はインドなので皆様インドに行かれたことがない方は是非一度行ってみてください。もう何もかも収集ついてない感じが体感できると思います。人生観というかこの世界の世界観がガラっと変わってしまうと思います。カルチャーショックとかそんな生易しいものじゃなくて、何か常識とか規範とか普段日本人が当然だと思っている大前提が崩れ落ちると思います。もちろん日本人だけでなくインド以外の国の人はインドに行くとみんな崩れると思います。行ったことがない人なら、絶対に想像を超えます。

 

タリンの語学学校で「迷信」について話すことになった

僕は最初タリンで友達を作ろうと思って英語学校に行きました。学校はここに行きました。旧市街の目の前なので割りとオススメです。エストニアは公教育で英語をペラペラ話せるので、ここに来ているのはロシア系の住民が多いです。エストニア人はほとんど高齢の方のみでした。僕はこの学校に来た二人目の日本人だったそうです。一人目は大使の奥様だったそうです。

この語学学校で「迷信」についてディスカッションすることになりました。

 

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語学学校の面々、みんなエストニアの人の例に漏れず物静かでした。

 

そこで語られた迷信とは、「室内で口笛を吹くと、その建物が燃え落ちる(災いが起こる)」というものでした。

 

🇪🇪室内で口笛を吹くと、その建物が燃え落ちる🇪🇪

 

kolyaeg / Pixabay

 

最初この話を聞いた時は、失礼ですがあまりにも突拍子に思えて笑ってしまいました。口笛と火災の関連が全くわかりませんでした。でも、もしかしたらこういう謂れは、何かシリアスな過去の問題や社会情勢と結びついていたりすることもあるので、あまり笑うべきではないと思います。でもその時は笑ってしまいました。(その後タリンに住むスイス人の友達もこの迷信をネタにしていたので大丈夫とは思いますが。)

 

そして実際に僕はその場で口笛を吹いて実践してみました。

 

「♪~(´ε` ) ピー・ピ・ピー♪」

「え、これでこの建物燃え落ちるの?マジで?」

「何も起こらんでしょ?♪~(´ε` ) ピー・ピ・ピー♪」

 

女性「口笛を吹かないで!」

 

今まで優しかった中年女性が「なんてことするんだお前は!」という態度で僕の行動を諌めて来ました。

 

思ったより本気で口笛を静止してきたので僕は少し反省しました。

僕は最初、この迷信は冗談というか、「古い時代の謂れ」だと思って半分笑い話としてみんな受け取っているのだと思っていました。実際にその授業を受け持っていた英語教師である南アフリカ人の先生は笑い話のようなニュアンスでこの話をしていたからです。でもその中年女性にとっては割りとマジで不吉な行動だったようです。すみませんでした・・・

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でも、この口笛の話を笑いながらする先生。

 

この先生は、南アフリカ生まれ。「南アフリカ人生まれなのに白人?」というのは僕だけでなくヨーロッパでも初対面の人に言われるそうです。でもよく考えたらテスラのイーロン・マスクも南アフリカですね。

後にこの先生とタリンのスポーツバーに行き、伝説のラグビーW杯 南アフリカVS日本の試合を見届けました。あまりのショックに試合後数週間、先生の僕に対する当たりがきつくなりました(笑)

ラグビー最強国である南アフリカがラグビー弱小国と思っていた日本に負けるなんて、彼にとってありえないことが起こってしまったのです。ショックは相当なものだったでしょう。

 

でもこのスポーツ史を揺るがす大事件に遭遇したのはもしかするとあの時の僕の口笛が原因かもしれません。

いわれによると口笛を室内で吹くことの効果は、火事だけではなく、火事を含んだ「とんでもない厄災」ですからね(笑)

 

−−悪魔が来りて笛を吹く(悪魔=私)

 

その災厄を被ったのは、ラグビーW杯の時の南アフリカ人の先生でした。

 

 

 

 

 

 

通っていた語学学校 Talinn Language Centre

 

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