こんにちは、(@flux54321)です。
エストニアのバルト海沿岸にハープサル(Haapsalu)という街があります。あのチャイコフスキーが滞在し、このハープサルをテーマにした曲を作ったことでも有名です。
ハープサルの思い出/チャイコフスキー
前回マルヤマー(Märjamaa)という小さな町に行きましたが、今度はそこからバスで2時間弱、避暑地ハープサルに向かいました。
バスに乗ってハープサルへ
深い青色の空、エストニアの国旗にもなった象徴的な色です。
車窓眺めて参ります。
ハープサルに到着
プロムナード から海を望む。
やっぱり観光地と言うだけあって良いですね。エストニアは割りと素朴というか地味な場所が多いのですが、ここはとてもキレイで落ち着きます。
教会の家族に会う
ハープサルには街のシンボルである有名な教会があります。ギリシャ正教会の教会で”「ハープサルのマグダラのマリア教会」EAÕK Haapsalu Maria-Magdaleena kogudus”と言うそうです。(日本語名はどこをググっても出てきませんでした)
そして、今回は偶然が重なり、知人の知人の知人が教会の神父さん一家と知り合いだったので、なんと家の中に入れてもらい泊めていただけることになりました。なんというか、とてもラッキーでした!
日本風カレーを作って皆様に振る舞いました。好評でした。
右が神父のお父さんです。とても上品な方でした。
エストニアは無宗教の人がとても多い国ですが、この教会はギリシャ正教会の教会です。みんなエストニア人ですが、数年前までギリシャに住んで居たそうです。
ハープサルで食べた、僕の生涯で一番おいしかった手作りケーキ
食事といえば、エストニア含め北欧の食事は世界でよくディスられます。基本的にあまり美味しくないとされているからです。特に食文化の宝庫である南欧とはよく比較され、食べ物の美味しくない国とジョークでよく言われます。日本でも北欧と聞いて話題に上がるのは、ムーミンやIKEA, H&Mなど北欧デザインのことばかり、その次に話題に上がるのは世界一優れた福祉制度のことだと思います。
しかしそんな先進的でおしゃれなイメージの北欧でも、食べ物のことが話題に上がるのは聞いたことがありません。北欧の食べ物と聞いて話題に上がるのはシュールストレミングにサルミアッキ、いわゆる超がつくゲテモノばかりです。
失礼を承知で言いますが、実際にエストニアを訪れて最初はそう思いました。エストニア一押しの料理で、タリン旧市街ど真ん中のいちばん有名なレストランで食べられるブラッドソーセージは「豚の腸に大麦を詰めたもの」です。本来肉であるはずの中身の大部分を大麦に代えているブラッドソーセージはどう考えても「貧しかった時の食べ物」だと僕は思っているのですが、エストニアはこれを観光客に対して前面に押し出しています。
実際に食べてみると、案の定、食感はモシャモシャしているし、塩味はゼロだし、正直意味がわかりませんでした。観光客に対してこれを推すこと以上に、これをメニューに並べていること自体が意味不明でした。そのぐらい美味しくないと思ってしまいました。僕は日本でも食わず嫌いをする方ではありません。納豆やつけものの発酵食品もOKだし、苦手な野菜もありません。和食でもファーストフードでもそれなりに美味しくたべる人間です。そんな僕でも何故この肉の代わりに大麦を詰めた料理に2000円も払うのか意味がわからないと思ってしまいました。
前述の通り、タリンの旧市街ど真ん中で食べたブラッドソーセージは食感も味も正直に採点して100点中15点なものだったのです。日本で嫌いなものなど無かった僕がです。日本で何を食べてもたとえ嫌いなものでも40点な僕がです。インドでもイギリスでも料理をマズイと思わなかった僕がです。
それで、やけにモシャモシャしていて味のしないブラッドソーセージにうんざりしていると、横にソースがついているのを見つけました。赤くて見るからにおいしそうなソースです。「味がしないのはソースを付けるのを忘れていたからに違いない。」そう思った僕はソースをつけて再びブラッドソーセージを食べました。「味はついたけど酸味100%だ・・・」
無味 から 酸味100%に進化してしまいました。食感の微妙なすっぱい食べ物が完成しました。もうこれ以上ブラッドソーセージに期待するのは止めにすることにしました。ちなみに付け合せのサラダはキャベツの酢漬けでした。これも酸っぱかったです。(なのでエストニアでは、イタリア料理店やアイリッシュ料理の店に行きましょう。ヨーロッパなだけあってヨーロッパ料理は日本より美味しいです!)
エストニア料理に絶望していた僕がハープサルで食べた、生涯で一番おいしかった手作りケーキ
ケーキの話をしようとしたら、ブラッドソーセージの悪口になってしまいました。
気を取り直してここからは、ハープサルの教会を営む家族の家で食べた手作りチョコレートケーキの話に戻りたいと思います。
そのケーキの写真がこちらです。食べさしの写真ですいません。
なんと、このケーキ、恐ろしく美味しかったのです。
このケーキはこの家族の娘さんの手作りでした。僕はそれまでの人生で、手作りのケーキでここまで美味しいものを食べたことがありませんでした。クリームも生地も何もかもが過不足無く調和していました。
「エストニアすげー!」
初めてエストニアの食べ物に対してそう思った瞬間でした。これはすごい。
僕は感謝の言葉を何度もその場で述べました。
写真はお母さん。ケーキを作った娘さんの写真は撮ってませんでした。
実はこの後、エストニアで過ごす中で様々な手料理をいただく機会があったのですが、どれも中々おいしかったのです。もしかしたら家庭料理は普通に美味しいのかも。観光客向けの料理がちょっと変わっているだけで・・・・
ハープサル、次回後編に続きます。