今回は眠らない街ベルリンでクラブに行った時の話をしたいと思います。

みんなとても賑やかでフレンドリーな人たちでした。集団行動があまり好きではなく、あまりしゃべらない僕にも優しくしてくれました。

ナント(Nantes)から来た若者たち

ラップトップの前で座っているのがルームメイトのフランス人、ナントから来た彼の友達はすごくハイテンション。

特に女性がめっちゃ喋るのが印象的でした。関西で言う「オカン」のようでした。ちなみにこの写真だと僕もパーティーピーポーの一員に見えますが、実はほとんど喋りませんでした。それでもとてもフレンドリーに接してくれたことに感謝しています。

ちなみに右上の男性はみんなのまとめ役でドイツ語とフランス語と英語が流暢に喋れました。国が地続きだからだろうけど、20歳そこそこで3ヶ国語を流暢に操るのはすごいなと思ってしまいます。

トリリンガルが当たり前

この夜とは違うある時、ベルリンのリーズナブルなレストランに行ったのですが、店員さんが「英語とドイツ語とスペイン語どれで話します?」と聞いてきたのには驚きました。日本だと外国語をちょっとでも話せるとエリートとか教育レベル高い人みたいなイメージがありますが、こちらでは店員さんも3ヶ国語話せるのです。たぶん軽い冗談言い合えるぐらいのレベルで。凄まじいです。

それと最近ドイツに来たばかりと思われるケバブ屋のトルコ人の店員さんもドイツ語を話せます。英語で話しかけると「なんか国際的な雰囲気になってきたな(笑)」と他のお客さんから言われたことがありますが一応通じます(笑)

余談の余談ですがベルリンが発祥のドネルケバブはソースが3種類から選べ、「クノブロー」と言うとニンニクソース味になります。迷ったら「クノブロー」がおすすめです。ちなみに残りの2つは「チリペッパー(辛い)」と「ヨーグルトソース」です(ドイツ語読みは不明)

ちなみに、僕は自分の興味のある話をまとめ役である彼にふっかけて行ったのですが、特に話したのは音楽の話でした。

フランスと言えばシルヴィ・ヴァルタンフランス・ギャルなどのフレンチポップスや、ダフト・パンクジャスティス、Mr.オワゾなどのフレンチハウス、それに奇人のエリック・サティです。

(思えばほとんど読んだこと無いけどマルキ・ド・サドもフランス人ですね。やっぱりフランス人はぶっ飛んでるよなと思います。)

これらのアーティストの魅力を語りながら、「21世紀になっても文化の源流であるフランスはすごい」という話をしました。そしてMr.オワゾの魅力について語ると「名前は聞いたことあるぐらい」と言われました。

でもやっぱすごいよなーフランスは。2010年代になっても未だにすごい。(独り言)

海外文化好きあるある

これも海外文化好きあるあるなのですが、ヨーロッパで日本文化好きの人に話を聞くと「日本人も知らない」ようなマイナー作品の魅力を語ってくれたりします。日本の漫画好きのドイツ人の方から「東京喰種すごいぞ!なんで読んでないんだ!?」と言われたことがあります。(東京喰種は割と有名かもしれませんが。)また韓国の方が作画されて日本で販売している作品の魅力も教えてくれました。すごいきれいな絵でした。

外国の方に日本文化を聞くと彼らの「掘り起こす力」がすごいので、こちらが知らないことを語っていただけたりして参考になります。

日本好きのスペイン人からも「和歌山の近くに住んでいるのに熊野街道に行ったことが無いなんて信じられない!」と言われたことがあります。スペインといえばカミーノの巡礼道が有名ですが、もしかしたら彼らの目には熊野街道がカミーノの日本バージョンに見えるのかもしれません。

カミーノは映画の舞台になってから大量の人が押し寄せ情緒あるものでは無くなってしまったなんて話も聞きます。これ逆に言えば、熊野街道とかお遍路の巡礼がこれから外国人観光客の中で爆発的に人気を博す可能性を秘めているということなのでは無いかと思います。

なんかワクワクしてきました。

カミーノが出てくるこの本を書いた小野美由紀さんは僕と同い年の大好きな作家さんで、私の世代のメンタルヘルス問題をすべて言い当てられて共感の嵐が起こりまくりの作家さんです。

クラブミュージック大好きなフランス人ルームメイトのMacbook Proで行われるDJプレイ

 いざ夜のベルリンへ出発〜♪

ドイツの地下鉄Uバーン

週末夜のベルリンは地下鉄(U-Bahn)が24時間運行です。

そしてあんまり大きな声では言えませんが、ベルリンの週末夜の地下鉄は監視員が居ないので実質タダで乗れるという状況になったりしています。僕は定期券を持っていたのでそもそも合法的に利用しましたが。

※ドイツの鉄道の監視員は住人だけでなく観光客に対してもめちゃくちゃ厳しくて容赦ないので、個人的には法規に則った利用をすることをおすすめします。ベルリンで出会った日本人観光客の方が初めて乗った時に切符をちゃんと買ったのに使い方を間違えて8000円も罰金を取られたという話を聞いたことがあります。抗議は一切受け入れられなかったそうです。ちなみに踏み倒そうとしても日本の警察と連携して日本で罰金は取られます。

ベルリンの街へ

時間になるまでホテルのラウンジへ

ソファーへの座りっぷりが板に付いてる女子

フランス人の人たちとめちゃくちゃ早く打ち解けるアゼルバイジャンのエリートの彼

途中寄ったカフェで飲んだビール(2ユーロぐらい)

有名なクラブに着くも門前払いされる

この夜最初に行ったのは「Tresor」という有名なクラブだったかと思いますが、前回のベルグハイン同様門前払いされてしまいました。

参考

ベルリンのクラブ「ベルグハイン」に行ったら門前払いを食らった話

入れないのでは仕方が無いので、みんなで歩いて別のクラブに行くことにしました。

歩く歩く歩く

クラブの入り口で複雑な気持ちになる出来事に遭遇

どこのクラブにも入り口に入場を管理する人が立っているのですが、この2つめのクラブは無事僕たちを入場させてくれそうでした。

ですがここでもトラブルが起こりました。アゼルバイジャン人の彼にだけパスポートを提示せよと門番の彼が言うのです。どれだけ聞いても苦苦しい顔で「パスポートを提示しろ」と言います。結局アゼルバイジャン人の彼は一人家までパスポートを取りに帰りました。

おそらくクラブでテロが起こるのが怖いのだと思いますが、差別や区別の微妙なラインだと思いました。でもこういうこともベルリンの社会の現実なのですね。ちなみにパスポートを見せるとようやく彼も中に入ってこれました。

ようやくクラブに入る

クラブの中は薄暗く、ラウンジにはゲイのカップルもたくさんソファーに座っていました。クラブカルチャーはゲイカルチャーと密接に結びついてきた歴史があるのでクラブにはゲイの人も多いです。70年代のハウスミュージックのビデオを見ると、ストッキングのような特徴的な服装をした人が後ろで踊っていたりするのですが、ああ言う服装もそういう文化の現れなのだと思います。(たぶん)

拳(こぶし)で語る強いドイツ人女子

僕はそもそも集団の中に居るのが割と苦手なので、日本でもオールスタンディングのライブを見に行くと壁ぎわにピタッとくっついて見ることが多かったです。

それで僕はその時も後ろの方に徐々に下がっていき、後ろの壁に持たれようとしましたが、そこで僕の背中のど真ん中に屈強な拳が押し込まれました。殴るとか叩くとかいう感じではなく、肩から腕全体を通して固い拳で背中にグッと圧力をかけてくる感じでした。

そんな事には日本では出会ったことが無かったので驚きました。

この他にもドイツ人女性が強かったり、日本と比べて様々なことに対して主体的であることを見せつけられることが多かったです。もちろん僕は良いなあこういう社会と思って見ていました。

強い女性って魅力的ですよね。

クラブの楽しみ方は千差万別

僕は割とどんなジャンルの音楽でも楽しもうとして、それなりに楽しめる人間なのですが、やっぱり1時間(アルバム1枚分)も同じジャンルの曲を聞いていると飽きてきます。クラブで踊ると違うのかもしれませんが、僕は踊ら(踊れない)ないので。

フランス人の友達の一行を見てみると、みんな疲れ果ててベンチに座っていました。

ポップスしか聞かないと言っていたので、彼らにはゴリゴリのテクノはやっぱりまだ荷が重いのではと思いました。

疲れ果てたフランス人の中で一人だけ笑うフランス人の男

みんな本場のテクノを過剰摂取しすぎて疲れ果ててしまっていましたが、そのテンションの下がりきったフランス人の一団の中で、一人だけ満面の笑みを浮かべて、僕に抱きついてくる男が居ました。

どうやら中で「相当良いこと」があったようです。

そういえばクラブって社交の場でもあるので、場合によっては中で男女(でも男男でも女女でも良いのですが)で色々なことが起こるようです。

そう言えば僕も女性とコミュニケーションしましたよ。「拳」と「背中」でだけど。

それもまた一興だったなと今となっては思います。

ドイツだけでなくヨーロッパ全体の女性が強い可能性

クラブ帰りにベルリンの中心的な駅であるアレクサンダープラッツ(Alexanderplatz)のホームでみんなで電車を待っていると、一団のフランス人の女性がホームで反対側のホームにいる見知らぬ女性とフランス語で罵り合い始めました。それは言葉によるプロレスでした。ドイツの女性だけじゃなくてフランスの女性もとても強かった。

とにかく、ここで会う女性はみんな頼もしくて、僕は見ているだけで楽しかったです。

(おわり)