※この記事のイントロ部分は以下の曲をBGMにしながらお読みください。

 

 

 

世界には様々な文化があります。

しかしその中でもビデオゲームは映画や音楽、文学、ファインアートよりも一段下に見られてしまっています。

 

それはなぜでしょうか?

ゲームは消耗品だからでしょうか?

でも消耗品という意味なら、ゲームだけでなく映画や小説も全く同じ消耗品だと思います。

 

やはり、ゲームをプレイしている人たちがNERDY&GEEKYでヤバそうとかそういう偏見から距離を置いてプレイしないのでしょうか?

まあ、そこは自分含めNERDYなのはあながち否定はできませんが。

 

しかし本当にみんながゲームをプレイしない理由はそれだけなのでしょうか?

みなさんは、ゲームをやっていないから、ゲームの魅力を判っていないだけなのでは無いでしょうか?

ゲームほどテクノロジーの進化の恩恵を直接的に感じられる文化が他にあるでしょうか?

 

ムーアの法則で半導体の集積度が毎年指数関数的に上がって行くのをダイレクトに感じられ、それが楽しさや体験に直結する文化や娯楽が他にあったら教えていただけますでしょうか?

 

ゲームほどインタラクティブ性、作品と自分との相互作用を感じられる文化が他にあるでしょうか?

映画や小説の登場人物の運命を「受動的に」見て読んでいるだけの人間が変えられるでしょうか?いいえ。もちろんそんなことはできません。それらはすべて受動的でゲームに比べてインタラクティブ性など皆無だからです。ゲームブックを除く

絵画やオブジェなどのアート作品やインスタレーションにゲームほどのインタラクティブ性や主体性があるでしょうか?最新のセンサーを使って人間の動きに反応するようにしたプロジェクション・マッピングなどもありますが、あんなものはゲームが培ってきたインタラクティブ性には遠く及びません。

人間が身体を拡張する手段として作品を通して世界と相互作用するという意味では、

ゲームを超えるアートは存在しないのです。

(大言壮語)

 

 

今日はそんなビデオゲーム弱者のみなさんに、とっておきのインディーズゲームを紹介します。

 

(「ビデオゲーム弱者」というのは言葉の綾でありネタです。真面目に怒らないでください。)

 

 

ちなみにどのゲームも数あるゲームの中でよりすぐりの、死ぬほど面白いゲームです。しかも今はセールで恐ろしく安い。最高のタイミングです。無条件にみんなが買うべきです。

それでは参りましょう。

 

 

心の奥底ではゲームを下に見ている意識高い系の人でも死ぬほど楽しめて大納得間違いなしのインディーズゲーム4選!

 

 

No.1 脱構築アドベンチャー “Stanley Parable”

https://store.steampowered.com/app/221910/The_Stanley_Parable/

 

 

このゲームは間違いなくダントツでおすすめです。

あまりゲームというジャンルを舐めない方が良い。マジで。

 

あなたを今までの人生で無かったほど「あっけに取る」のが目的のゲーム

 

タイトルで「脱構築アドベンチャー」と書きましたが、脱構築とはフランスの哲学者 デリダ  が提唱した概念で、「いま起きていることの前提をすべて外側(メタ)から破壊して再検討・再構築する」という意味です。

その観点からこのゲームを説明しようとすれば「『ゲームとはこういうものだ。』とプレイヤーが思っている常識がいきなり通用しない状況に度々たたされて驚かされるゲーム」だと言えます。(メタ視点に引きずり出される)

あまり言うとネタバレになるのですが、このゲームでは例えばプレイ中に設定が丸々崩壊してしまうとか、今プレイヤーが行っている行動そのものの意味を問い直される状況に突然立たされるとかそういうゲームです。

面白いと言うか脳みそが今までにない状態になります。私はもうこれ以上ネタバレをしたくありません。気になられた方はStanley Parableを実際にプレイされると良いと思います。

 

 

No.2 “INSIDE” デンマークアート財団(Danish Arts Foundation)から公的にサポートされ、世界中で満点評価連発なダークアドベンチャー

https://store.steampowered.com/app/304430/INSIDE/

 

 

“INSIDE” は なんとデンマークの政府系アート財団 “Danish Arts Foundation”と映画系の協会”Danish Film Institute” が直々に支援した人が作ったゲームです。そう、北欧ではゲームはもう立派なアートであり文化なのです。

 

参照

Computer Games as Art Form

https://www.designskolenkolding.dk/en/arnt-jensen

 

(心の声)だから言ったじゃないですか。ゲームはすでに立派なアートなんですよ。だから他のアートを持ち上げてゲームを一段下に見るというのは完全にアートに対する認識が古いオブソリートな考えです。(ネタなのでクレームはお受けしておりません)

 

“INSIDE” のダークで美しい世界観に酔いしれろ

上記のプロモーションビデオを御覧ください。ああ、これだけでもう引き込まれる。ダークでディストピアな世界観の中、主人公の少年の目的は何なのか?この場所は一体なんなのか?目的は?結末は?無事謎を明かし、そして彼は生き延びることができるのでしょうか?

終盤、衝撃の展開が待ち構えています。

見てるだけじゃない。自分で操作するから良いんです。

INSIDE、これもダントツでオススメです。

 

 

No.3 資源の枯渇するボスニア・ヘルツェゴビナ内戦下で生きる普通の人々を操作して生き延びろ!”This War of Mine”

https://store.steampowered.com/app/282070/This_War_of_Mine/

 

 

実際に起こった悲劇と、その悲劇の中で生き延びようとする普通の人たちが主役のゲーム

このゲームも、ゲームとしてとても優れていてとても面白いです。ゲームは日常パートと探索パートに別れます。日常パートでは家屋を修復したり、アップグレードして様々な器具を自分で作ることができます。探索パートでは危険な状態にあった国ボスニアのサラエボ(ゲーム内では「ポレゴン」と呼ばれている)の街を探索して、生き延びるために使えるものを探します。ステルスゲームでもあり、盗賊の住んでいる廃屋や民家に忍び込んで物資を盗んだり、あるいは彼らと鉢合わせた時に戦闘をするか逃げ帰るかを瞬時に自分で選んで行動します。

 

参照

サラエヴォ包囲

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A9%E5%8C%85%E5%9B%B2

 

このゲームはサバイバルゲームとしても完成度が高いのですが、題材が題材だけにとにかく悲壮感がとても強いです。戦火に巻き込まれた人々の日常が描かれます。もちろん目を覆いたくなるような悲劇に遭遇することもあります。資源が枯渇してプレイヤーキャラがじりじり弱っていくのをただ見守っているだけの時もあります。

薪が無くなって室内の気温が低いと病気になります。盗賊団の襲撃で大怪我をすると資源が限られている中、早めに治療しないと悪化していきます。とても精神的に辛く悲しくなる時もあるゲームです。

だけど、昔助けた人が物資をもってきてくれる心温まる一時もあります。装備が整って、アグレッシブにこちらから盗賊団のアジトに武器を持って侵入することもできます。設備をアップグレードして売れるものを作って食料や資源と交換することも出来ます。

そんな風に良いことと悪いことを繰り返しながら、いつかこの内戦が終わる日を願って、日常と探索を繰り返します。試行錯誤の末、このゲームで戦争終結まで生き延びることが出来たら、その喜びもひとしおとなります。

このゲームは旧ユーゴスラビアのボスニアで起こった実話を元に作られています。起こったのは1992年で、日本という国が世界で一番絶好調だった時代に海の向こうでこんな事が起こっていたなんて、色々と考えさせられます。

 

考えさせられて、悲しいこともあるのにものすごく面白い。This War Of Mine おすすめです。

 

No.4 末期ソビエトのディストピア感満載な世界の国境で入国審査官の任務を全うせよ。”Papers, please”

https://store.steampowered.com/app/239030/Papers_Please/

 

 

“Papers, please” は入国審査官を体験するゲームです。

まずは上のトレイラーを見てください。”Glory to アラストツカ” とか書いてますが、どう見ても舞台は旧ソ連です。ロシアとその衛星国との間を行き来したい人たちがパスポートを持って日々この場所に並びます。

 

ディストピアでのお仕事ゲーム

やることは本当に入国審査官と同じです。

  • パスポートが有効か確認する。
  • ビザが有効か確認する。
  • プロフィールを詐称していないか確認する。(詐称が発覚するとその場で「取り押さえ」)
  • 武器を持っていないか確認する(取り押さえ)。
  • ワイロを申し出るものや精巧な偽造パスポートを作ってくるものに対処する(選択で結果が変わる)。

このゲームは進むに連れて、国の情勢も怪しくなり、パスポートの要件と必要書類がどんどん厳しくなっていくので入国審査官であるプレイヤーの仕事も増えていきます。

歩合制なので、審査した人の数が少なかったり、審査を間違うと給料が少なくなります。給料が少なくなると自分の家族が露頭に迷います。その他、国民同士の相互監視や国家反逆罪に抵触しないようにしないとゲームオーバーになったりもします。

エストニアに居た僕にとってはあんまり笑えない、旧ソ連らしき国の国境を舞台にしたお話です。

面白おかしい部分も色々とデフォルメして描かれていて面白いゲームです。

 

とにかくパスポート裁きがドンドン早くなるお仕事ゲームです。

 

“Papers, please” オススメです。

 

今日オススメしたゲーム。Steamという世界最大のPC用ゲーム販売サイトでは、現在セールが行われておりますので、是非買ってプレイしてみてください。

 

 

追記:ゲームをする時、WINDOWSならXBOXのコントローラーが設定やドライバが一切なしで使えます。Macでも無料ユーティリティーをインストールすれば大抵のゲームで使えます。

 

Macで使う時の参照ページ

https://mpppk.github.io/2017/01/07/using_xbox_one_controller_on_mac.html

 

 

そしてもし遊んで見て、楽しかったら、文化や芸術としてのゲームにもっと敬意を払ってあげてください。