こんにちは。日夜Netflixでおもしろ作品を深堀りしている加藤(@flux54321)です。

最近のメジャーなNetflixオリジナルだとシーズン2の配信が始まった「このサイテーな世界の終わり(The end of this fxxxing world)」が激しくお気に入りです。登場人物の著しい病み具合や、それと対照的な明るいオールディーズのBGMの組み合わせが人を食ったようなムードを漂わせます。起こってることは割と悲惨なのにちょっと笑いを誘う編集も最高です。特に主演の2人のキャラクターが超最高です。

https://www.netflix.com/title/80175722

 

 

「Netflixで何を見れば良い?」と聞くとどこに行っても同じ作品ばっかりオススメされる問題

 

とある掲示板でNetflixでどんな作品を見るべきかという書き込みを読みましたが、当たり前ですがメジャー作品が多く挙がります。そりゃあ有名な作品は見てる人の母数が多いので仕方ない。

 

じゃあマイナーな作品は自分で掘っていくしかないという事で、自分で掘った結果「心に残った」と評価できた作品を選びました。

 

海外旅行的なライトな気持ちで見れるものから、リアルタイムの問題を考えさせられるドキュメンタリー、心にズドンと来るディープなものまでレビューサイトで評価数の少なめな作品を選びました(例外含む)

 

僕の完全な独断なので「この映画の何が面白いの?」と思う人もたくさん居ると思いますが、独断とはそういうものです。

それでは早速見ていきましょう。

 

二人のトマ: 旅に出る(原題: Journey To Greenland)

うだつの上がらない生活を送るフランス人の若者2人(2人とも友人同士で名前が「トマ」)が父親の住んでいるグリーンランドに滞在することになります。

デンマーク内の自治領であるグリーンランドの大自然(氷と白夜)と現地の人々の超自然派でミニマルな生活、それと2人のトマとの交流を非常に淡々としたトーンで描きます。

フィクションという体なのですが、僕は実質的にドキュメンタリーだと思ってこの映画を見ていました。

というのもグリーンランドは面積は世界最大の島なのですが人口が全島で6万人にも満たず、セリフのある人以外にグリーンランド人として(モブキャラとして背景に)カメラに映っているのがほとんど現地の役者じゃない一般人の人々だからです(おそらく)。現地のグリーンランドの人々の都会擦れしてない雰囲気がとても良いです。

なのでこれはほとんどグリーンランドを舞台にしたドキュメンタリーみたいなものだと言えます。

起承転結やどんでん返しもあるにはありますが申し訳程度のものなので、ドキュメンタリー的な作りは製作者の意図だと思います。「ささやかなストーリーを通して大自然や現地の人々の放つ空気感に着目してほしい」ということなのでしょう。

そういう訳で「ここではないどこか」「白夜と氷につつまれた世界」を体感したいならうってつけだと思います。

ここではない真っ白な世界の雰囲気を二人のトマの目を通して楽しむ映画だと思います。

とてもリラックスして見れると思います。癒やし映画です。オススメ。

あと最近アメリカのトランプがグリーンランド買収したいと言って問題になっていましたが、そういう意味でも数少ないグリーンランドを扱った映画ということでグリーンランドという場所を知る上でもオススメだと言えます。

オススメ。

https://www.netflix.com/title/80117940

Barni1 / Pixabay

 

フェイク: 我は神なり

最初にこの作品が僕の目を引いたのは「韓国のアニメ」だからでした。

韓国は映画やドラマ、音楽やアイドルなど様々な文化コンテンツを輸出している国ですがオリジナルのアニメを作っているというのは僕自身は聞いたことがありませんでした(無知?)。

なのでちょっと気になって見てみたところ。これがかなりダークでヘビーな内容で面白い!

新感染という実写ゾンビパニックものの映画が有名なヨン・サンホ監督が製作したアニメなのですが、登場人物の動きとかキャラデザインがリアルすぎる(普通のおじさんやおばさんがいっぱい出てくる。)ので、「これほとんど実写映画だろ」と思いました。

あらすじは、主人公である極めて暴力的なDV親父が家庭を無茶苦茶にするのですが、そのせいで絶望した娘が怪しい新興宗教に入信してしまいます。その新興宗教はダム建設の計画で水の底に沈むことが決まっていて精神的に困窮している村の人々を洗脳して金をせしめています。

そこで主人公の暴力親父が娘を取り戻そうと悶着を起こしまくります。「新興宗教を運営する詐欺師」と「詐欺師に操られる真面目な牧師」と「暴力親父(主人公)」間で起こるトラブルを中心にストーリーは進んでいきます。

そしてラストシーンが僕にとっては衝撃的でした。寝る前に見たのですが、あのラストシーンでストレートをお腹に2発食らったような気持ちで数時間寝付けませんでした。

主演の声を映画「息もできない」のヤン・イクチュン監督がされているそうで、DV親父が家庭を無茶苦茶にするという点においては完全に共通したモチーフです。

そして「息もできない」を鑑賞した時にも感じたのですが、「暴力描写が出てくるのにあまり痛々しくないどころかちょっと荒唐無稽で面白い。」というのも両作品に共通した僕の感想でした。

正直、完全に人を選ぶとは思います。

でも僕はオススメです。「良い意味で暴力的。良い意味で暗い。」映画だと思います。ちょっと園子温映画見てる時の感覚にも通じるかもしれません。

特に衝撃のラスト。

 

オススメ。

https://www.netflix.com/title/70293419

 

オーロラの空の下で

ドキュメンタリー。

寒いアイスランドのしかも真冬にサーフィンをしにいく映画。1つ目に紹介した映画「二人のトマ」と同じく北極圏が舞台です。とはいえこちらはグリーンランドのお隣、アイスランドですが。(細かいことを言うとアイスランドは北部だけが北極圏なのですが、まあこまけえことは良いんです。)

「アイスランドには本物のスウェル(盛り上がった形の波乗りに最適な波)がある」

から始まるこの映画ですが、要するに冬に極寒となるアイスランドにサーフィンをしに行くというある意味クレイジーな映画です。豪雪の中サーフィンする場所に車で向かっている時なんかは「お前ら、死にてえのか!?」と思ってしまいました。(実際アイスランドに10日間ほど行ったことがありますが、夏でも同じ部屋に居た同居人がちょっとした運転ミスで滑ってレンタカーを大破させていました。北国の自然は美しいですが、死と隣り合わせでもあるのです。日本と違って人口密度も低いのでインフラも少なく事故があってもすぐレスキューに来れませんしね。間欠泉を見に行ったら同行のガイドさんに「近づいてヤケドしても病院クソ遠いから救急車すぐ来れねえぞ!」って釘をさされました。)

ですがこの映画の魅力はその映像美です。アイスランドの大自然がめちゃくちゃ美しいです。はっきり言ってそれが全てです。それ[プラス]サーフィンです。

しかしそれだけで十分見る価値があります。命がけで極寒の地域のしかも冬にサーフィンするとかクレイジーだけどやり遂げたのすごいし、アイスランドの波ってきれいなんだねっていう映画です。

ぜひ大画面で見てほしいです。

オノ・ヨーコの光の塔があるアイスランドの首都レイキャビクのヴィーズエイ島(Viðey)に行く

 

https://storys.jp/story/23816

過去記事② アイスランドと共通点が多すぎる日本

 

オススメ。

https://www.netflix.com/title/80216662

 

ルーザーズ: 失敗が教えてくれること

ちょっと珍しいタイプの「負けた側の人」にスポットライトを当てるドキュメンタリーです。

父親の激しい家庭内暴力から逃げるためにボクサーになった人だったり、黒人女性のフィギュアスケート選手でずっと銀メダルばかり取り続けた人の話だったり、イングランドのサッカーの下位リーグのさらに最下位争いをしている田舎の弱小チームの話だったり、様々です。

敗者のストーリーって見て面白いのかと思うかもしれませんが、これが面白いのです。

それぞれの敗北の裏にそれぞれの物語があり、「試合に負けて勝負に勝った」という感覚が湧いてくるエピソードばかりです。

途中、監督がネタ切れになったのか、前半3話は上記のようなテイストの話が続きますが、後半は普通の苦労話のドキュメンタリーになります。ですが最初の3エピソードだけでも見る価値はあると思います。

ちなみに監督のミッキー・ドージェイという人は「負け組の星、ハルウララ」という、なんと日本の勝てない競走馬ハルウララにスポットを当てたドキュメンタリー映画で有名になった人のようです。

なるほど。この監督は敗者のストーリーもつ魅力を最大限に引き出せる人物だったのですね。

新たな視点と勇気を与えてくれるこの監督に今後も注目したいと思います。

 

オススメ。

https://www.netflix.com/title/80198306

 

アメリカンファクトリー: 美国工廠

(※若干ネタバレあり)

 

 

なんとあのオバマ元大統領夫妻が製作に関わっているドキュメンタリー。アメリカと中国の製造業の力の移り変わりとそれを中心とした軋轢についてノンフィクションで描いています。

少し悲しい話ですが、破綻した都市デトロイトのようにアメリカの製造業は基本的にずっと衰退しています。(ぶっちゃけると中国が押し寄せてきてアメリカの次に製造業の危機が起こっているのは日本です。なので日本人としても参考になることも多いと思います。)

オハイオという田舎な州の閉鎖されたアメリカの自動車会社GM(ジェネラルモータース)のフロントガラス工場が舞台なのですが、それをフーヤオという中国のフロントガラス製造会社が買い取るところから話はスタートします。

この映画のテーマ、 アメリカと中国の文化の衝突、そして、両国のパワーバランスの変化です。

 

この映画の中で、

中国人の下で働くアメリカ人は次のように考えています。

  • GM時代より賃金安くしてるのに働かせすぎ。
  • 怪我したのに労災申請できないのひどすぎ。そもそも労災なんてGMでは起こったこと無かった。
  • 労働者の人権無視するな。
  • 組合作らせろ。

 

アメリカ人を働かせる中国人は次のように考えています。

  • アメリカ人は自信過剰過ぎ。世界一自信過剰に育てられてる。謙虚に働け。忠誠心見せろ。
  • 中国人スタッフが月の休日3日で12時間労働とかしてるのにアメリカ人働かなさすぎ。
  • 組合作るのは社員側にデメリット多いって社員に洗脳するのは当たり前。
  • そもそもフーヤオの社長と組合長が兄弟で、その弟は中国の地元の共産党の委員で完全に全部ズブズブだけどそれ中国だと普通だから。

 

とにかく言えるのは、米中両国側の考え方の乖離が凄まじいです。日本と中国より大きな幅があります。

フーヤオが毎年中国本土で行っているイベントをアメリカ人スタッフが見に行くのですが、歌われる歌から社員の家族ぐるみの忠誠心から何からなにまで全ての内容が会社賛美に終始していて、かなりのディストピア感が漂います。

が、「中国だとそれ普通だから」という作品中に出てくる中国人スタッフの態度が、製造業に勢いがある中国の現在を物語っているとも感じます。「中国はいま儲かってるんだから細かいことは良いんだよ。」というスタンスでしょうか。

 

AliExpressで買い物をする自分としても、近年の中国の製造業のものすごい勢いを肌で感じています。「先進国より圧倒的に安くて、そこそこ質の良いものが手に入る」ようになってきたということです。

日本の白物家電屋も軒並み中国に買収されちゃいましたもんね。液晶メーカーJDIも中国資本頼みだったりしましたし。

今後もこのトレンドは止まることはないでしょう。

 

という訳で、工業立国の日本としても全くもって他人事ではないので、一見に値する作品だと思います。

 

オススメ。

https://www.netflix.com/title/81090071

 

バグズ: 昆虫食は地球を救うか

実はこの作品については過去に感想記事を書いたことがあります。

「意外と虫って食えるかも!?」と思わせてくれる良作ドキュメンタリーです。

そしてなんと虫食文化の舞台には日本も出てきます。

食に対する視点を変えてくれるという意味でオススメです。

 

過去のレビュー記事があるのでここでは長々と書きませんが、詳しくは過去記事を見てくださいね。

【Netflix】映画 バグズ −昆虫食は地球を救うか− を見た感想

 

オススメ!

https://www.netflix.com/title/80108610

 

流転の地球: The Wandering Earth

中国で大ヒットしているSF小説の映画化です。

全く知らなかったのですが、ネットニュースで日本でも小説が売れている&映画が中国史上最大級の大ヒットということで見てみることにしました。

 

あらすじは、太陽が肥大化して地球が飲み込まれるので、地球の様々な場所に埋め込まれた超巨大ジェットエンジンを噴射して地球を太陽系から脱出させるという話です。その計画の名前がタイトルの「The Wandering Earth」です。

その計画の最中、木星の重力に引っ張られて地球の軌道がそちらに移動していってあわや衝突か、というストーリーです。

 

感想としては、スケールがクソでかい。CGがものすごい。映画です。

とにかく一言で言って、「中国の勢い感じるな。」っていう映画でした。

資本も撮影技術もここまで高まってるんだぞ中国の映画界は!というパワーを感じました。

内容はスケールのでかい娯楽SF映画としては、普通に面白いと思えます。

なので、今回紹介する中では「一番無難に」オススメできる作品だと言えます。

 

余談ですが、中国関係の作品を見ていて何度か出てくるのが「今の中国は経済的に豊かになったけど失ったものあるよね。牧歌的な人の付き合いとか暖かみとか失っちゃったよね〜。」というエピソードです。これは上で紹介したドキュメンタリー「アメリカンファクトリー」でもフーヤオの社長が同じことを言うシーンが出てきます。あと新海誠監督のアニメ制作会社が中国の企業とコラボした「詩季織々(Netflixで見れます)」という作品でも初っ端からその語りから始まりますね。いまの景気の良い中国には多かれ少なかれ「金だ!金だ!」拝金主義な雰囲気があると思いますが(日本のバブルみたいな)、その中で失われるものに対する言及がこうやってしきりに出てくるのが、やっぱり捨てたものじゃないなというか。人道的な考え方もまだ根強く残ってるんだなと感じます。いつの日か中国経済の勢いが落ち着いた時に(いつになるか分かりませんが)、金以外の人間の生についての本質的な価値について大きく見直される時が中国でやって来るかもしれませんね。

 

作品へのリンク

https://www.netflix.com/title/81067760

 

まとめ

Netflix上でメジャーな作品をあらかた見終わったり、逆にどれも自分のテイストに合わないからといって退会するのはもったいないかもしれません。Netflixにはマイナーだけど面白い作品がまだまだ眠っています。僕もそこま偉そうに言えるほど色々見たわけでは無いのですが。少しでも皆様の助けになれば幸いです。

 

では!